2019年度TAMAGO採択課題
獣医学と生命工学の融合による次世代メディカルツールの創成
研究代表者: 吉野知子 教授
(工学研究院?生命機能科学部門)
「次世代メディカルツール創成チーム」
獣医学研究者と生命工学研究者の協働により、臓器?器官レベルの多細胞集団の動的遷移から生命現象を捉える、新たな学際分野の創成を目指します。ミニ臓器である三次元オルガノイドを使って単一細胞からがん組織形成までの細胞系譜を明らかにし、がん組織モデルの世界標準としたいです。本学の生命工学分野はがん細胞の単一細胞解析で世界を先導しています。獣医学分野は三次元オルガノイドの作製技術と病理診断体制が整っており、来院動物からユニークで多種多様なオルガノイドを作製できる点が強みです。本研究では、ヒトと動物の双方の健康のための融合研究を展開し、未だ治療法がない疾患のメカニズム解明や治療薬開発につなげたいと思っています。
「次世代メディカルツール創成チーム」メンバー
臼井 達哉 | 特任講師 | 農学研究院 動物生命科学部門 |
呰上 大吾 | 准教授 | 農学研究院 動物生命科学部門 |
吉田 敏則 | 准教授 | 農学研究院 動物生命科学部門 |
吉野 知子 | 教授 | 工学研究院 生命機能科学部門 |
田中 剛 | 教授 | 工学研究院 生命機能科学部門 |
野生動物に関する情報のAIを用いたデータ解析手法の開発
研究代表者: 小池伸介 准教授
(農学研究院?自然環境保全学部門)
「野生動物データ科学研究チーム」
日本では毎日のように野生動物と人間活動との間で軋轢が生じ、特に農林業被害は甚大であり、新たな野生動物管理システムの構築が求められています。一方、センサ技術やネット環境が発達し、大規模な野生動物の移動データや生体情報等の取得が可能になりました。本プロジェクトでは野生動物の行動情報や生体情報のAI(人工知能)を用いたデータ解析技術手法の開発と、それらの野生動物管理への応用に取り組みます。野生動物の生態を数理モデルとして理解?解明し、行動予測や生態解明により「野生動物の生態を見える化する」ことを目指します。人口減少や高齢化が進む日本で、野生動物との軋轢防止のための効率的?省力的な対策につなげたいと思っています。
「野生動物データ科学研究チーム」メンバー
小池 伸介 | 教授 | グローバルイノベーション研究院 |
赤坂 宗光 | 准教授 | 農学研究院 自然環境保全学部門 |
岩井 紀子 | 准教授 | 農学研究院 自然環境保全学部門 |
近藤 敏之 | 教授 | 工学研究院 先端情報科学部門 |
藤波 香織 | 教授 | 工学研究院 先端情報科学部門 |
藤田 桂英 | 准教授 | 工学研究院 先端情報科学部門 |
堀田 政二 | 准教授 | 工学研究院 先端情報科学部門 |
水内 郁夫 | 教授 | 工学研究院 先端機械システム部門 |
未利用廃棄バイオマスを原料とする環境機能材料の創製
研究代表者: 兼橋真二 准教授
(工学研究院?応用化学部門)
「グリーンプロダクツ創製研究チーム」
世界で深刻化する地球温暖化や廃プラスチック汚染などの環境問題に対し、石油資源から再生可能資源への転換が重要です。本プロジェクトでは、東南アジア地域に豊富な未利用資源を有効利用できる環境機能材料の開発に取り組みます。まずカシューナッツ産業で年間200万トン以上生じるナッツ殻に着目し、殻および殻に含まれる油の高度有効利用技術(化成品基幹モノマー、機能性ポリマー、バイオ燃料等)の確立を目指します。さらに現地の主要産業である天然ゴム、パーム、稲作、さとうきび等から発生する未利用資源への展開と融合を図り、新興国との国際共同研究?人材交流を通じて教育?科学技術支援とSDGs達成に向けた循環型社会の構築に貢献していきたいと考えています。
「グリーンプロダクツ創製研究チーム」メンバー
梶田 真也 | 教授 | 農学研究院 生物システム科学部門 |
兼橋 真二 | 准教授 | 工学研究院 応用化学部門 |
荻野 賢司 | 教授 | 工学研究院 応用化学部門 |
下村 武史 | 教授 | 工学研究院 応用化学部門 |
銭 衛華 | 教授 | 工学研究院 応用化学部門 |
河井 栄一 | 所長 | ASEAN事務所 |