2022-05-16 工学部生命工学科 新垣篤史研究室「磁性細菌」
先週に続き、工学部生命工学科の新垣篤史教授の研究室にお邪魔しているワン。
こちらの学生さんが持っている瓶に入っているのは細菌!
透明なお水に見えるけど、写真2枚目のように磁力をかけると、お水の中に少し白く見えるところが出てくるワン。
(写真だと、わかりづらくて残念だワン…)
こちらは、「磁性細菌」という特別な細菌だワン。
磁性細菌は、細胞の中にナノサイズの磁石を合成する細菌。
水に溶けている鉄分を細胞内に取り込むことで、磁石を作っているワン。
あまり聞いたことのない細菌だけど、実は、海、川、湖など身近な場所にいるワン。
新垣先生の研究室で扱っている磁性細菌は、小金井市の神社の池で先輩たちが採取したものを、引き継いで研究しているそうだワン。
磁石で地磁気を感知することで、苦手な酸素を避けて暮らしているなどと言われているけど、磁石を何に使っているかは、まだわかっていないんだワン。
学生さんが取り組んでいるのは、磁性細菌を使った強力な磁石の開発に向けた基礎研究。
丸い磁石を作る磁性細菌の遺伝子を組み替えて、細長い磁石を作らせる研究をしているワン。
理論上、磁石が細長くなると、磁力が強くなるそうだワン。
人工的に形や大きさの制御された磁石を合成するのは難しいけど、微生物はタンパク質を使って磁石の形や大きさを制御しているから、微生物をうまく活用すれば、目的の磁石を作ることができるんだワン。
小さくて強い磁石は、DVDなどの磁気記録に応用できるほか、医療材料にも応用できる可能性を秘めているワン。
たとえば、小さな磁石に薬をくっつけて人の体に投与すれば、外から磁場を与えることで目的の場所まで薬を運ぶことができ、薬の副作用を減らすことができる可能性があるんだワン。
こちらの学生さんは、もともと薬に興味があって、医療分野に応用できる磁性細菌の研究に魅力を感じたそうだワン。
写真3枚目、4枚目のフラスコに入っているのは、磁性細菌が作った磁石。
墨汁みたいな黒いお水に磁石をくっつけると、小さな磁石が集まってきたワン。
目に見えないほど小さな微生物には、すごい力があるんだワン。
金曜日には、新垣先生の研究室で扱っている別の微生物「リン溶解菌」の研究を紹介するワン。
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