2021年度TAMAGO採択課題

ミトコンドリア補充による細胞ダメージ軽減技術の改良


 
研究代表者: 太田 善浩 准教授

(工学研究院?生命機能科学部門)

 「ミトコンドリア補充技術改良チーム」

心筋梗塞や脳梗塞の後に起こる虚血再灌流障害、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性障害、 自閉症など、多くの疾病においてミトコンドリアの異常が観察されます。
ミトコンドリア補充療法は、これらのミトコンドリア機能の低下した細胞に高品質なミトコンドリアを与えることで、 細胞機能を取り戻す治療法です。
しかし、この療法の実践にあたっては、ミトコンドリアが高品質で、ダメージを受けていない状態である ことが必要であり、細胞からの取り出し後にすぐに使用しなければならない、ミトコンドリア単離に関する 高度な技術がなければ実施できない、などの問題があります。
本研究では、細胞保護の効率を向上させるミトコンドリア前処理技術の開発、培養細胞を用いた細胞 保護メカニズムの解析、ミトコンドリア補充療法の有効性の範囲の確認を迅速に進め、補充ミトコンドリアによる 細胞保護効果を改良することで、ミトコンドリア補充療法の世界的普及を目指します。

「ミトコンドリア補充技術改良チーム」メンバー

 田中 綾 教授  グローハ゛ルイノベーション研究院
 太田 善浩 教授  工学研究院 生命機能科学部門
 稲田 全規 准教授   工学研究院 生命機能科学部門

Bat-On-a-Chipを利用したコウモリ由来感染症発生予測システムの開発


 
研究代表者: 大松 勉 准教授

(農学部附属感染症未来疫学研究センター)

 「チーム?コウモリ」

2000年以降、SARS、MERS、そしてCOVID-19とコウモリを自然宿主とするコロナウイルス感染症が立て続けに発生し、「次のコウモリ由来コロナウイルス感染症」の発生が懸念されます。
本研究では、コウモリからヒトへの感染をシミュレート可能なマイクロデバイスを生命工学研究者と獣医学研究者の協働により開発し、コウモリ体内で増幅されるウイルスやコウモリからヒトに感染するウイルスの遺伝子情報を収集します。
さらに、気象条件を加味した植生変化の全球モデル作製技術をベースに、収集したコウモリの分布や対象地域の植生、土地利用データ、気象データ、そして感染実験によるウイルス遺伝子変異データを融合することで、コウモリ由来感染症の地球規模でのウイルスの発生源?拡散予測モデルの開発を行います。この予測モデルにより次のコウモリ由来ウイルスの遺伝子を予測しワク珍や診断法の開発や、発生地域の特定による感染症の早期封じ込めにつなげることを目指します。

「チーム?コウモリ」メンバー

 辰己 賢一 准教授  農学研究院 農業環境工学部門
 臼井 達哉 特任講師   農学研究院 動物生命科学部門
 大松 勉 准教授   農学部附属感染症未来疫学研究センター
 川野 竜司 教授   工学研究院 生命機能科学部門

病原体を攻める食品の開発


 
研究代表者: 水谷 哲也 教授

(農学部附属感染症未来疫学研究センター)

 「攻めの食品開発チーム」

残念なことに毎年世界で亡くなる5歳未満児は約500万人です。このうち、半数近くが感染症によるといわれています。下痢や呼吸器症状を主徴とする感染症はSDGsの目標にあるように、ワクチンや衛生環境の改善により多くの子どもたちを救うことができます。
私たちはSDGsに貢献するために世界的に大きな問題になっている体球网,足球即时比分感染症、発展途上国の子どもの感染症を撃退できるような食品の開発を目指しています。これまでに納豆菌が産生する蛋白質分解酵素群が体球网,足球即时比分などを分解できることを論文や学会で発表し、国内外の多くの新聞や科学Webサイトでも紹介されてきました(タカノフーズ株式会社等との共同研究)。
次の新興ウイルス感染症が発生したときにも1年以内にワクチンが開発されると予測されます。しかし、変異株の出現はワクチンの有効率を大幅に下げてしまいます。この1年を乗り切るために、治験の必要のない食品による対策が効果的です。このように私たちは現在、未来、世界的に感染症をなくして健康を増進することを目標としています。

「攻めの食品開発チーム」メンバー

 水谷 哲也 教授  農学部附属感染症未来疫学研究センター
 吉田 誠 教授   農学研究院 環境資源物質科学部門
 山形 洋平 教授   農学研究院 応用生命化学部門
 西藤 公司 教授   農学研究院 動物生命科学部門
 大松 勉 准教授   農学部附属感染症未来疫学研究センター
 大場 真己 特任准教授   農学部附属感染症未来疫学研究センター
 ウレット?レンゴロ 教授   工学研究院 応用化学部門

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